|
保護するカメ
ニホンイシガメ (日本固有種 環境省レッドリスト「準絶滅危惧種」)
ニホンイシガメは本州・四国・九州に生息する日本固有のカメですが近年、生息地の開発・護岸工事、乱獲、外来種の移入・捕食などにより急速に数を減らしています。 大正川も例外ではなく、外来種に加え樹木の伐採や豪雨などによる生息環境の悪化により生息域が狭められ、確認される個体数が減っています。 扱いを慎重にするカメ クサガメ (外来種)
クサガメは和亀保護の会が活動をはじめた2004年頃は在来種とされていましたが、現在は江戸時代以降に朝鮮半島や中国から持ち込まれた外来種の可能性が高いとされています。 ニホンイシガメとの交雑が問題視されており、当会では地域の方たち(ため池関係)と相談しながらイシガメとクサガメが出会わないよう移動するなどの対策を検討しています。 スッポン
スッポンは、本州以南に生息しますが自然個体と飼育環境(養殖など)から逃げ出した個体との判別が難しく、現在和亀保護の会ではすべてを保護していますが(トゲスッポンなどの外来種を除く)、今後研究者の見解を参考にしながら臨機応変に対応していきたいと思っています。 排除するカメ ミシシッピアカミミガメ (外来種) (日本の侵略的外来種ワースト100、アカミミガメ全亜種は要注意外生物(外来生物法)および世界の侵略的外来種ワースト100)
日本ではアカミミガメというとミシシッピアカミミガメを指すことが多いですが、キバラガメ・カンバーランドキミミガメもアカミミガメの仲間でキバラガメは大正川でも捕獲されています。 幼体はミドリガメと呼ばれ1966年にはお菓子メーカーの景品にもなり全国に広まりました。 ミドリガメのころはみどり色でかわいいですが、数年で大きくなり色もくすんできます。気性が荒く♀は大きくなると30cm前後になる個体もあり、飼いきれなくなって「狭いところで飼うのはかわいそうだから自然に帰してあげようね。」と人間に都合のいい言い訳をつけて捨てられたり、逃げ出したり、業者による売れ残りで廃棄された個体などが、あちこちの川や池で繁殖するようになりました。1975年には、サルモネラ菌による食中毒が「アカミミガメが原因」と報道されたため捨てられるカメが増えたといわれています。(サルモネラ菌は、アカミミガメだけが保有している菌ではありません。自然界に広く分布し家畜やペットも保菌しています。) 大正川では2004年〜2014年までで1500頭以上のミシシッピアカミミガメを駆除してきましたが、繁殖力の強さと開放水域であるため、2004年当時よりは減ってはいるもののまだまだ安心できる状態ではありません。一度野に放たれたミシシッピアカミミガメを減らすことは出来ても、すべてを排除することは不可能なのです。 寺田池(加古川市)では、2006年大規模な改修工事が行われ、その際に捕獲されたミシシッピアカミミガメは2000頭を超えると思われます。 工事が終わり水が入った後、水路や他の池に移動していたミシシッピアカミミガメはいち早く寺田池に戻り現在も繁殖しています。 (寺田池では、寺田池協議会の皆さんが外来種駆除を積極的に行い大きな成果を上げておられます。) ペニンシュラクーター・ハナガメ・トゲスッポン他外来種
交雑種
アカミミガメ以外の外来種や交雑種は大学などの研究機関に譲渡したり、信頼できる方に里親になっていただいています。 アカミミガメはその数の多さから殺処分され廃棄されていますが、官民協力のもと「堆肥化」への取り組みがはじまりました。尊い命を無駄にしないためにも実用化が待たれます。 カミツキガメ(外来種)
|