和亀保護の会

 
大正川 2021

12月19日


今年最後の活動。お疲れさまでした。

ヌートリアの子供。今回3個体見かけた。

 工事の影響や水深の低下、ヌートリアによる環境破壊・・・カメにとっては越冬環境を掘りまくられる(涙)・・・などで、例年見つかる場所でカメが越冬していない。冬場の調査では、場所によっては1度の調査で50個体以上捕獲したこともあるのだが(まあ、ほとんどがクサガメとアカミミガメだったが)、今回は14個体のみ。しかも3個体はアカミミガメとハイブリッド。
 工事の影響については、川いい会さんが環境整備をやっておられるし、できる時は私たちも手伝うのだが、その成果が現れるのはもう少し先になるだろう。水深の低下は如何ともしがたい。ヌートリアは・・・以前防除の認定をとることも考えたのだが・・・やはり再度検討すべき時が来たのかもしれない。う~ん、しかしカメの調査の時間がとられてしまうし、捕獲した個体の運搬など、荷が重い。悩みどころである。

12月4日

 干上がってしまっている越冬場所    腹甲はイシガメ、目はクサガメの雑種

 下流でカメを探した。水量が少なく水深もかなり浅かった。
 カメが越冬に利用する通常水中の木の根っこの部分も露になっていた。クサガメ・アカミミガメは水中のガマの根っこの隙間や窪んで少し深くなった水底の泥の中などにいたが、やはり数は少なかった。さらに下流、また安威川に移動しているのだろうか?
捕獲数が少ないうえに、下流の調査ではハイブリッドが見つかり、持ち帰った。頭の痛いことである。

11月28日

 ミズキンバイ  「いないな~」

 上流でカメを探した。水量が少なく水深もかなり浅かった。上流の調査地点は例年何故か夏にはほとんどカメが見られず、冬場は一定数のカメが見られる場所であるが、水深が浅いせいか、雨で流れてきたと思われるアカミミガメを3個体捕獲したのみであった。そこで、いつもは調査しない堰の上の深みを調査したが(水深が浅いせいでゴム長で入れた)、カメの姿はなく、コイやナマズを確認しただけであった。いつもこの時期になると現れるカメたちはどこにいるのか?また、国内外来種のミズキンバイがこの時期になっても枯れずに青々としていた。調査範囲はなんとか駆除できているが、堰より上はひどい状態。

11月20日

 水位が下がってドブガイが沢山死んでいた  生きている貝は干上がらない場所へ

干上がってしまっている越冬場所
 お疲れ様

 阪急の高架からその次の橋までの区間で調査。最近、琵琶湖の水位が下がったと盛んに報道しているが、大正川も水位低下で普段は水につかっている横穴や木の根っこが露になっており、そういうところで越冬するカメの姿が見当たらない。下流に逃げて、越冬しているのか。異常事態で逃げ遅れた立派なドブガイも多数死んでいた。
 カメの捕獲数が少なかったので、予定よりかなり速く調査が終了。中洲づくりをしておられた川いい会さんに合流して、作業の手伝いをした。工事で単調になった川筋を少しでも複雑にして、生き物を呼び戻す地道な活動である。魚類は比較的早く戻って来るモノもおり、それが作業を続ける大きなモチベーションになっている。ただカメは魚類のようにはいかず、今はまだ工事区間はワンドと深溜り以外、通路としてしか利用していない。魚類や水生昆虫や甲殻類などが以前のように戻ってきた後に、カメも戻ってくるだろう。

11月6日

 

 今シーズン最後のかご罠を深だまりに設置したが、先日の東播磨と同様、残念ながら坊主。手探りでは工事区間と工事区間のすぐ下流を調査。工事区間は残してもらった自然ワンドと作ってもらった人工ワンドでのみカメが見つかった。植物はそこそこ戻ってきているが、直線的な川筋をカメはあまり利用していない。工事区間を離れるとカメに限らずいろんな生き物の姿が確認された。

(写真館に画像をUPしました。)

10月16日

 罠に入ったクサガメの放流    釣られて傷ついたアカミミガメ

 下流に罠かけしてから、川いい会さんが活動しておられる上流側へ移動。最近の川の状況・生き物の様子を情報交換してから、前に工事が行われた区間を目視調査。欄干から川を覗いて、増えたアオミドロの状態を見たり、ミズキンバイを駆除した箇所を見たり(幸い生えてきてはいなかった)、アカミミガメのチェックをしたり(少な目)。一通り観察してから下流に戻り罠の引き上げ。とても水が澄んでいて、亀影が少なかったが、数頭ずつアカミミガメとクサガメを捕獲。釣られて乱暴に釣り針を引き抜かれたのか、顔の一部が潰れて出血したアカミミガメが捕獲された。傷自体は既に治癒しているので、出血は釣りとは別の要因だろうが、なんともひどい。

(写真館に画像をUPしました。)

10月3日

 カメは入らずギルが入っていた。  ミズキンバイ  流れてきた古い自転車も回収

 同じ区域で活動している「モンセーヌ大正川の会」さんの清掃活動日でもあり、まずはご挨拶。
 次にいつもの「川いい会」のメンバーと顔合わせした後、深溜まり1ヵ所と下流3ヶ所に罠かけ。罠掛けに影響が出ぬよう、さらに下流で清掃活動をしながら中洲と水中でカメを探した。この日の川は透明度が高かったものの、魚影ならぬ亀影が薄く、どうも捕獲できるような気がしない。中州もカナムグラが繁茂し、甲羅干しをしそうな地点にも姿が見えず。触れれば痒痛いこの植物はカメも苦手なのだろう。1区間と決めている橋から橋までをチェックして、再度上流の深溜まりへ。いつも短時間でそこそこのカメが入るのに、今回は坊主。カメの代わりにギルが入っていた。
 川いい会さんが流れてきた古い自転車を見つけて下さったので、協力して回収。
 最後にもう一度下流に戻って罠の引き上げをしたが、なんとこちらも坊主。テンションだだ下がり。ミズキンバイが下流で定着しているのも見つかり、駆除。

9月9日

いないなぁ~  入ってるかな?
 水没した飛び石  お疲れ様

 前日の夜~朝の雨のため、開始時刻を遅らせてこの日の活動地点行くと、思いの外、水位が下がっておらず、水流も速い(いつもはすぐに水が引く)。差し当たって罠かけを済ませて、水の流れの遅い支流の境川へ。この場所なら多少水位が高くても危険は少ない。境川には深い横穴があって、これまでも台風の前後などに調査をすると、越冬時のようにカメが何頭も入っていることが多かった。今回も身の危険を察知して、さぞかし多くのカメが入っているかと思いきや、1頭も見当たらない!!水位が高くなりすぎたため、中州に避難しているのかと、かなり高いところまで探してみても姿がない。 台風の時は気圧が低くなっているが、今回の雨は台風ではない。気圧はさほど下がっていなかったのか?だとしても1頭も姿が見えないとは!?何年調査をやっていても何故なのか分からないことはあるものである。
大正川の罠もあまり期待はできないと思いつつ、2時間くらいで引き上げると、アカミミガメとクサガメが2頭ずつ入っていた。水量が多く水流も速い時はエサの臭いも散ってしまうので捕獲しにくいが、その割にはまあまあ入ったものだ。

9月4日

 おつかれさま  ⇒  さっき写真を撮った遊歩道まで浸水
 半分沈んだ中州の木  カメを元居た場所に帰すために水が引き始めた遊歩道を歩く

 深溜まりと少し下流の2地点で罠かけをした後、川いい会の皆さんと一緒に、昨年度浚渫工事された区間で活動。川いい会の皆さんは例によってシャベルを駆使して環境整備。私たちはカメを探しつつ国内外来種ミズキンバイのチェックと駆除、ゴミ拾い。
今年の夏は結構雨が降ったので、上流からミズキンバイの千切れた茎や葉が流されることが多かったと思われる。繁殖力旺盛なミズキンバイはその小さな破片から定着、いつのまにか成長していた。水際だけでなく、中洲が砂地の場合はどんどん陸上にも進出している。
 昨年ミズキンバイの調査をした際、上流で川幅の全面に繁茂して水の流れを阻害したので刈り取ったという話を聞いた。在来種とはいえ、あるべきでない場所に持ち込まれると、問題を起こすのだ。 
 この日は午後から晴れの予報だったのが、なんだか空模様が怪しい・・・嫌な予感がして予定より早く罠を引き上げ、調査用具を片付けた。・・・と激しい雨が降ってきた。カメの測定は公民館の自転車置き場で行ない、雨をやり過ごしたが、雨が上がって川を見ると、水は遊歩道を越え、中洲の木々は半分沈んでいた。都市河川は水を吸い込まないアスファルトの道などに降った雨を集めて、排水路のようになる。一気に水量が増えるのだ。こんな時、カメたちはどこにいるのか?流されないのか?・・・そういう厳しい環境にカメたちは棲んでいるのだ。

7月31日

 ミズキンバイの群落  縄梯子こわいよ~  おつかれさま
 
 本日はまずいつも環境整備(土木作業)をされている石山さんのグループに挨拶をしてから上流へ。上流のカメ調査とミズキンバイの駆除作業を行なった。ミズキンバイは昨年石山さんのグループと一緒に駆除を行なったが、もちろん完全に駆除できているはずもなく、どれほど復活しているかドキドキモノだったが、カメ調査をしている範囲については思いの外駆除が成功しており、そこそこ大きな群落1つと小さな群落がいくつかあったものの、今回90リットルのゴミ袋で3袋の量のみの駆除で済んだ。ただ、堰の上のさらに上流はそもそも駆除が困難で、なんとか駆除を行なったところもかなり復活しており、大きな群落も見られた。
 一方カメの捕獲は何と坊主!いつもこの区間は何故か夏場はカメが好まないようで、捕獲数も僅かなのだが、アカミミガメさえ捕れなかったのは久し振り。さすがにテンションが下がったが、イヌビワが実っているのを見つけ、仄かな甘みを楽しんで、作業を終えた。

(写真館に画像をUPしました。)

7月22日


 一緒に活動している「川いい会」さんが中心となって例年行っている茨木市の「自然楽習会in大正川」のお手伝い。大正川に生息する魚類や甲殻類の展示、投網実演、魚とり体験などが行なわれる中、私たちもカメ類の展示や捕獲実演をさせていただいた。コロナ下でいつもの年の半数の募集とはいえ、立命館大学や大阪工業大学の学生さんたちのボランティアもあって、とても賑やかだった。工事の影響で単調な環境での観察会だったことも、マスク着用でしかお話できなかったのも残念ではあったが、やはりこういったイベントが実施でき、子供たちが生き生きと川に入るのを見られるのは嬉しかった。
7月3日


 雨で中止かと思いきや一転晴れて、「川いい会」の皆さん、立命館大学の学生さんと一緒に大正川の整備。もちろん深溜まりで継続的なカメの罠かけ調査も。  今回のメインの作業は、重機によって単調でぺちゃんこにされた中洲を切って、細流を開通させること。これまでに川いい会さんによってある程度掘られている。今回は人数も多く、学生パワーもあって作業はかなり進んだ。  私たちは途中で失礼してカメ罠の引き上げ。そして工事区間上流のミズキンバイの様子を観察。アサザはかなり復活していたが(大正川にとっては国内外来種)、質の悪いミズキンバイ(同様に国内外来種)は下浅川橋の下だけに大きな群落があった。これは近々に駆除する予定。さらに以前駆除した三条川のオオキンケイギクの様子をチェック。うう、結構復活している。なかなか厳しい。

6月28日

 

 昨年度の大正川の工事後、どれだけ魚類が戻ってきているか、「川いい」会さん、NPO法人natur worksさんを中心に行われた稚魚調査に参加。同時にカメ類についても確認するため、まずは深だまりに罠かけ。その後みんなと合流してガサガサを行なった。ガサガサはヘボだが、しばらくやっているうちにヨシノボリやボラを捕獲。川の流れもまだまだ単調で以前の生物多様性は望むべくもないが、網にはスジエビや数種のヤゴも入った。工事区間の上流や下流にそれなりの場所があり、工事区間を通路として利用している面もあるのだろうが、今後の整備作業によって河川環境をより複雑にできれば、それらがしっかり定着し、さらに多くの種が呼び込めるものと思われる。  カメについては今回の罠かけではアカミミガメのみの捕獲で、雨で上流から流されてきたと思われる。それ以外では工事を免れた三条川周辺(大正川との合流地点)や残していただいた自然ワンドでクサガメを見つけた。元々この区間を主な生息場所にしていたカメや上流から流れてきたと思われる個体であった。魚類以上にカメ類は複雑な環境が必要だと思われる。ただ今回、橋の根元の砂が溜まった場所で、石山さんが網でスッポンをすくって下さった。工事期間にはほとんど保護できていなかったので、嬉しかった。

6月17日

 足で確認しながら潜っているカメを探索
草をめくると潜って避暑しているカメ発見
 アカミミガメの蓑亀
 川の中でカモの物と思われる卵発見
カモの巣と卵
 お疲れ様((´∀`*))
大正川下流でカメ調査。川にかご罠をかけた後、先月と同じ区間の中州でカメを探した。カメの姿は見えなかったが、歩き回ると足に石を踏んだような感覚がある。先月は木漏れ日の差すような草陰にいたが、気温の高くなった今日は草の中に潜っている。草をめくってようやく姿が見える。腹甲をひんやりとした土にくっつけて気持ちがいいのだろう。

(写真館に画像をUPしました。)

6月12日

 まずは深だまりに罠かけ。工事後深だまりの左岸側はもはや深くはなくなっており、トラップは1基で十分だった。アカミミガメが2・3個体いることは聞いていたが、他のカメたちが深だまりを利用しているのかチェック。
罠かけ後は「川いい会」さんと合流。「川いい会」さん主導で行なっている川整備を一緒に行った。今回は以前移植した植物の周りを土嚢と土砂で補強。土嚢は茨木土木事務所さんから提供していただいている。
 午後、工事区間のカメの調査。今回はワンドにもおらず、三条川(工事なし)との合流周辺で2個体捕獲し、深だまりにかけた罠で6個体捕獲した。アカミミガメ以外の個体5個体のうち、もともと工事区間を利用していた個体は3個体、1個体は新捕獲、1個体は下流を利用していた個体だった。工事後~これまでに捕獲した個体は捕獲されなかった。カメは場所に保守的なので、戻ってきてはいるのだろうが、残念な環境になってしまって、また別な場所に移動しているのだろう。

(写真館に画像をUPしました。)

5月23日

 草むらで甲羅干し中  護岸のこんなところにいるよ!(川はこの下)  ここにクサガメがいるよ💛
 背甲に付いたヌマエラビル。
普通は皮膚に付着する事が多い。
 今年になってからかなり成長したと思われる幼体  コンクリートの護岸の隙間に根付いた
オオキンケイギク
 「世界カメの日」の本日は、昨日に引き続き大正川へ。昨日の地点から2㎞ほど下流で調査。朝から良く晴れた日だったので、クサガメたちは中州で見つかった。ただし目立たない草むらで。アカミミガメは水際のガンガン日の当たる場所(しかもすぐ逃げられる場所)で甲羅干しをしているのをよく見かけるが、クサガメやイシガメはそうでもない。時には気が付かずに踏んづけることもある。  今日捕獲したクサガメ11個体のうちヌマエラビルが寄生していたのは9個体。普通は首や前後肢、臀部など皮膚についているのだが、今回はそれに加えて背甲・腹甲で見られた。しかも9個体全てについてである。ヌマエラビルの卵は普通背甲に産み付けられているので、ヌマエラビルたちは産卵のために移動していたと思われる。  今日のアカミミガメの捕獲は4個体。思いのほか少なかった。3個体は大きなメス(うち2個体は2㎏超え)、1個体は26gの幼体である。年輪からこの春、随分成長していることが分かる。

(写真館に画像をUPしました。)

5月22日

 まずは「川いい会」さんと一緒に、浚渫工事区間の整備。石山さんたちは中州で土木工事。私たちはセイヨウカラシナの駆除。これまでのように根っこから抜くのでなく、根っこを残して上の部分をカット。工事後の中州は雨で流されやすくなっているので、根っこで補強するためである。工事は環境に大きなダメージがあったが、残してくれた中洲の上の部分を削ってくれたので、セイヨウカラシナも生えるには生えるが、在来の埋土種子も発芽して、今まで少なかったカヤツリグサなどもたくさん芽吹いてきている。ここで、中洲を流されないようにしつつセイヨウカラシナは退場してもらおう。  セイヨウカラシナの駆除の後は同じ区間でカメの捕獲調査。まだまだ以前のようには捕れないが、クサガメ4個体とアカミミガメ1個体を捕獲。前回の同じ区間での調査で撮れた個体(クサガメ)とはメンバーが違っていた。雨の影響もあるだろうが、一度戻ってきた個体も、以前利用していた環境と随分違ったため、別の場所に移動したのかもしれない。

5月8日

 川いい会の皆さんと一緒に大正川の小さな環境整備作業の続き。1時間半ほどご一緒して和亀保護の会のメンバーは三条川(大正川の支流)へ。以前はカメもそこそこいたのだが、ゲリラ豪雨が降って、中洲ごと流されたりするようになってからめっきり見なくなってしまった。今回3年ぶりくらいに調査したが、やはりアカミミガメ1個体のみの捕獲であった。とはいえ貝類は豊富。カワニナやシジミがたくさん見られた。ゲリラ豪雨さえなければ、エサの豊富な住処になると思うのだが。  そして、三条川の護岸ののり面にはオオキンケイギクが。大正川への供給源になっていると思われるので、範囲を決めて駆除を行なった。

(写真館に画像をUPしました。)

5月4日

 「川いい会」のお二人と一緒に工事後の川の小さな整備作業。放置しておいても川の環境は少しずつ回復していくだろうが、少し手をかけて、できる限り複雑な流れができるだけ早く戻ってくるようにしたいものである。  作業後に工事区間でカメを探した。まだまだ単純な流れだが、カメは深たまりに1個体、残してもらった自然ワンド周辺で3個体、植物が繁茂しかけた中州で1個体見つかった。5個体のうち3個体は工事前におよそ2㎞下流に放流した個体、1個体はおよそ1㎞下流に放流した個体であった。カメは場所に保守的な生き物であるので、お気に入りだった場所に戻ってきていたのである。ちなみに2個体は調査を始めた2004年に工事区間で捕獲した個体である。それぞれこれまでに10回以上再捕獲しているが、ほぼ同じ区間で見つかっている。工事区間はまだエサも身を隠す場所も少ない。工事がカメにとっていかに負担であるのか、このことからも明白である。

4月24日


 「川いい会」の皆さんと一緒に大正川で活動。大工大の田中先生にアドバイスいただきながら、浚渫工事が終わった区間を歩いてチェックしつつ、今後の自然回復計画を話し合った。  単調になってしまった川筋には、先週多くの鯉が産卵のために遡上していたが、卵を産みつけるべき水際の植物や水草、岩などが少ないため、ワンド補強に使ったヤシマットや石ころに卵がくっついていた。ヌートリアが掘った穴も露わになっていたので、この際水底の粘土や石ころで埋めたが、駆除しない限りまた掘られてしまうだろう。  一通り話をした後でそれぞれの活動に。川いい会さんは工事区間で作業を、私たちは少し下流でいつものカメの調査を行なった。今回は1個体を除いてすべて中州で日光浴をしているところを発見。アカミミガメは目立ったところで日光浴をするが、クサガメやイシガメは木漏れ日が差すような草の中で甲羅干しをする傾向がある。分かりにくいところにいるので、踏んで見つけた個体もいた。 4月18日
 こい💛の季節  甲羅に産み付けられたコイの卵  計測後はオオキンケイギクの駆除
 大正川下流へ。前日の雨で水量が多かったので、支流の境川に少し入った場所でカメを探した。以前も報告したが、低気圧の影響がある時は越冬中のように横穴などに入って静かにしていることが多い。今回も僅かな時間で横穴や水底の落ち葉の下でじっとしていたカメを21個体捕獲。大正川ではここのところコイが遡上して産卵しているのだが、背甲に卵をつけているものも。あの激しい動きに逃げもせず、大人しく卵を産み付けられていたようだ!
4月3日

 自然のワンド(ヤシマットとシルトで補強)  若者は立命館大学の学生さん  下流での調査
 川いい会の皆さん+立命館大学の学生さんと一緒に浚渫工事後の川の状態をチェック。工事によって粘土が掘り起こされ、水流で細かい粒子のシルトが川底を覆い、滑りやすくなっている。逆に工事で作っていただいたワンドや元々あったワンドを囲む中洲が痩せてきているので、川底に溜まったシルトをスコップで掘って張り付ける作業を行なった。学生さんたちはゴム長がないので中州のセイヨウカラシナの駆除。  その後浚渫工事区間の作業は途中で失礼して、下流へ移動。カメの調査を行なった。工事に巻き込まれないようにクサガメを放流した地点であったが、当のクサガメはこの暖かさのためか、移動してほとんど見つからなかった。上流側に移動したのか下流側に移動したのか、また次回以降の調査で確かめる。

3月11日


 午前中はいつもの調査&清掃活動。今回活動した区間はヌートリアが最も多く見られる場所で、一日に8個体観察したこともある。数年前まではカメ類が集団越冬していた見事な木の根っこも、ヌートリア仕様に変えられてしまって、今年は3個体のカメしか見つからなかった。しかもこれまでそこを利用していなかったアカミミガメが越冬していた。ヌートリアは南アメリカ原産、合衆国やメキシコに棲むアカミミガメとは本来生息域は重なっていないはずだが、互いにフィットするのか?。  午後からは行政の担当者・業者・市民団体に加えて、大阪工業大学の田中耕司先生においでいただき、工事によって失われた自然をいかに回復させるか、話し合い。特に、工事区間に作っていただいたワンド・残していただいた自然ワンドについて、工事で使われたヤシマット(結果的には水質浄化装置としてはあまり機能しなかったが・・・)をうまく活用して補強し、水生生物が利用できる空間にするためにどうしていくかを確認した。  今回の工事はやはり、自然環境にとっては大きな痛手と言わざるを得ない。しかし土木行政が「具体的に」自然のことを配慮し、また我々も治水・利水について学ぶいい機会になった。そして同じテーブルについて考えていけたことが何よりであったと思う。 3月4日
 キッコウジュズモがついたアカミミガメ  下流でも川の濁りは工事区間と変わらない  集めたゴミ

 大正川にてカメ調査&清掃活動。ここのところ、大正川に通い詰めている。工事区間から移動させたカメが移動先でちゃんと越冬できているかのチェックはもちろんだが、工事区間から流れ出した土砂が下流でどれほど堆積しているかも確認する。
この日も工事区間では作業がなされていたが、工事も最終段階に入り、最初ほどの水の濁りはなかった。しかし工事区間から数百メートル離れた場所でも、工事区間とさほど変わらない濁りがあり、さらに水底に溜まった土砂が歩くたびに巻き上がった。

2月27日

 ガーパイクの死体

 大正川での工事に伴う救出作業はほぼ終わったので、工事区間より下流でカメの越冬調査を行なった。  濁水の浄化のためにヤシマットは入れてもらっているものの、工事区間を離れても、かなりの泥が水底に溜まっており、歩くたびに泥を巻き上げ、かき混ぜることになった(写真2枚目)。カメは元々、泥に潜って越冬するような生き物なので、さほど濁水による影響はないが、魚類にはかなり大きなストレスになると思われる。川いい会の皆さんとこれまでに魚類も救出したが、何と今回、特定外来生物であるガーパイクの死体が見つかった(写真1枚目)。泥が鰓に詰まったのかもしれない。旺盛な食欲で小魚を大量に食べるので、こればかりは死んでくれてよかったと思ってしまう。  工事で水深が浅いこともあり、カメたちは数少ない快適な越冬場所で集団で見つかった。クサガメはイベントで展示するために2個体持ち帰り、あとは交雑を避けるため、捕まえたところから1㎞以上下流に放流。 2月21日
 泥に潜っていたところをユンボでやられたタウナギ
  気温が上がると工事区間に移動してしまうことがあると思うので、捕獲した個体を測定後下流に放流した。もちろんまた戻って来る可能性もあるが、できる限り工事で傷つけられることのないようにしたいのだ。実際、今日はユンボにやられたと思われるタウナギの死体(頭を切られたものと、胴体を切られたもの)があった。外来種とはいえ無残なものだ。
2月14日

 これから・・・と思ったところで、公民館メンバーの画像がダウン(涙)。  公民館のメンバーのみで報告会。長谷川さんは清掃活動、石山さんは環境配慮の工事について、西堀はミズキンバイ駆除について。進行は立命館大の学生さん。
 水の濁り防止のヤシマット。
 
 午前は対面+zoomのハイブリッドで「アドプトリバー大正川交流会」の予定が開始早々にトラブル。公民館に集まったメンバーとオンライン参加のメンバーが別々に活動報告を行なうことに。企画してくれた学生さんが、まとめて後で情報共有できるようにしてくれる予定。
 午後からは石山さんと大正川に出て、土木事務所が濁り防止のために設置してくれたヤシマットを確認した後、例によって生き物救出。もちろんまだまだ捕り残しはあるだろうが、さすがに工事区間にいる生き物は少なくなった。簡単には網に入ったり手に触れたりしなくなった。ただ今回はとびっきりの貴重な生き物を1個体救出することができた。 

2月11日


クサガメ発見
 工事区間。濁りがスゴイ。  前の写真より1.3㎞下流の濁り。
 今回も見ました。工事区間の個体は下流に移動?   カメ以外に手捕りで捕まえたもの。  今日のカメ類の捕獲(写真+α)

 大正川の工事に伴う生物(主にカメ類)の救出作業。先日深溜まりで行なった救出作業で取り残され、浚渫工事区間に移動したと思われるカメ、下流から工事区間に移動してきたと思われるカメを探した。アカミミガメ4個体、クサガメ7個体、イシガメ1個体は思いの外の多さ。しかし、6日に石山さんのグループが発見して三条川に放流していただいたクサガメは見つけられなかった。・・・ということはまだまだ採り残しがあるはずである。これから暖かくなれば、下流から移動する個体もさらに増えると思うので、工事期間は必ずコンスタントに作業しなければならない。測定後はクサガメとイシガメは場所を変えて放流。下流の放流場所に行く時、橋毎に水の濁りを撮影。当然下流に行くにしたがって濁りは減少するが、クサガメを放流した地点でも、カメはともかく、魚類は厳しいと思われるレベルだった。

2月5日

 
 午前中茨木土木事務所の担当者、工事関係者、川いい会さんと一緒に浚渫予定区間を歩き、残してもらいたい中洲やワンドの創設についての話し合い。できる限り生き物配慮をお願いできることにはなったが、「配慮」に対する認識の違いも判明。工事関係者は親切心で、自然にできているワンドを「きれいに削りましょうか」とおっしゃる。私たちは「いやいや、そのままに」という具合。そもそも「美しい川」のイメージが違うことが分かる。面白いものであるが、そのあたりの認識の違いを明らかにすることから始めないと、話し合ったはいいが完成形が違う、ということにならないとも限らない。
午後からは同じメンバー±で近々工事が始まる深溜まりの生き物救出。コイやナマズをはじめ越冬していたカメ類37個体とその下流の工事区間で5個体を捕獲。カメは測定して、アカミミガメ以外を放流していたら、すっかり遅くなってしまった。

1月31日


 29日に続き、大正川の工事区間で生き物救出作業。今回は和亀保護の会のメンバーのみで先日水が抜けきらなかった深みでの作業。多くの魚類とカメが閉じ込められていたが、魚類の捕獲はヘボなので最初はかなりてこずった。とはいえ、大きなコイ22個体、ゲンゴロウブナ6個体、ナマズ7個体、ブラックバス3個体、ブルーギル多数、ドンコ3個体、カマツカ1個体、そしてカメ14個体(うちアカミミガメ10個体)を捕獲した。在来種は上流に移動させ、特定外来生物(バス・ギル)はその場で駆除、アカミミガメは駆除のため持ち帰り、いろいろと扱いが難しいコイ・ゲンゴロウブナ・クサガメは下流に放流した。  今回水が抜かれたことで水底の形が確認されたが、左岸にはたくさんの瓦礫が投入されていることが分かった。大きな外来魚がたくさんいたにも拘らず、在来魚が見つかったのは、これまでその隙間がよい隠れ家になっていたからだろう。生きたドンコは3個体しか捕獲できなかったが、ドンコの死体がたくさん確認された。残念であった。  作業中、たくさんの市民に声を掛けていただいた。やはりご近所に何が起こっているのか気になる人は多い。

1月29日
 捕獲した生き物を護岸の上までクレーンで運んでいただいた。こういう作業は我々だけでは不可能である。  木の根っこの隙間に逃げ込んだのだろうが、泥に埋まって死んでいたナマズ。残念。  今回の工事によって負ったカメの腹甲の傷。この程度の傷なら治癒するだろうが、先のナマズのように埋まったカメがいると思うと、心が潰れる思いである。
 生きていたナマズ。傷があるがこれも治癒するだろう。川の上流に放流した。  和亀保護の会は生き物救出の後、下流の浚渫予定の場所でカメを捜索。上流から逃げてきたのか、さらに下流から遡ってきたのかは分からないが、3個体捕獲。  治水的に言えば、元々の水底が長年の流れによって削られ、深くなって、護岸の根っこを危うくしている。そのために蛇篭を設置するとのことである。しかしそのために生き物がすみかや命を奪われて良いかといえば、そうではない。遅きに失したが、生き物救出作業を行なった。

救出した魚類。ドンコやモツゴもいた。

川いい会&和亀保護の会のメンバー
 浚渫予定区間。川は白く濁っている。

 大正川の工事によって生息場所を追われる生き物の救出作業を茨木土木事務所・工事関係者・市民団体(川いい会・和亀保護の会)で行なった。  工事前にできれば、もっと救えただろうにと後悔したが、それでも元々予定になかったことができたことは、多くの人の努力と相互理解の賜物である。 午後、和亀保護の会はさらに下流の浚渫予定区間でカメを捜索。3個体を捕獲した。

1月24日
 蛇篭設置区間。均されてひどいことになった水底は、今は見えない。  雨が降る前、あまりの川の濁りに「土砂が流出して下流に流れることについて、どうお考えか?」と担当者にお聞きしたところ、「工事過程で下流に土砂が流れることは起こり得ます」とのこと。そりゃそやろ。その程度がひどすぎることを聞いているんや!で「下流でも支障が出るほどになったら浚渫する」って、マッチポンプやん。いかにそれを防ぐのか答えて欲しい。  草が刈られ、木が伐採されてしまった中州と増水した川の様子。
 
 川いい会の石山さんと一緒に工事が進んだ雨の大正川を観察。
蛇篭設置区間のブルドーザーで踏み均された川底も、金曜からの雨でかなり増水して今は見えない。もし生き残っているカメや魚がいるとしたら、この雨は恵みの雨になるかもしれない。コンクリートで区切られ閉じ込められた工事区間から逃げ出していることを祈るばかりだ。
 下流の浚渫区間は中州の草が刈られ、ほとんどの木が伐採されていた。土木事務所や業者との話し合いは何だったのか?つるつるになった中州を見ると、いかに水際植生というものが大事であるか実感できる。
 和亀保護の会は活動18年目、川いい会さんはそれ以上である。長く続けてきた分、この風景はあまりにも辛い。ただこの気持ちを共有し、くじけず今後を考えようとしてくれる仲間がいるのは嬉しく頼もしい。

1月17日

 蛇篭設置工事のため入れられた重機。 重機が川の真ん中を均していた。こんな話は聞いていない。この辺は恐らくカメはいないと思うが、この下流が心配。  浚渫予定の上流から重機を入れるための大量の土砂が入れられた。この辺りは水底がコンクリだが、その下流は深溜まり~工事区間。深溜りは工事に関係ないと思っていたが、この調子で土砂が入れられたら、生き物に大きな影響がある。またこの下流は土砂のせいでかなり濁っている。

 大量投入された土砂のために濁った大正川。
 場所を変えてカメ調査。水底のアカミミガメがゆっくり歩いている。   やっぱりみんな心配している。写真を撮りに来たという幸ちゃんと遭遇。背後は設置予定の蛇篭。

 日曜のため工事は行われていないが、蛇篭を入れる予定の新浅川橋周辺、浚渫を行なう予定の区間の少し上流にに重機が入っていた。考えていたものよりかなり大規模なモノであった。また蛇篭を設置する川の両端の部分だけでなく、澪筋の真ん中にも重機が入り、水底を均していた。これは想定外。「生き物に優しい」ということだったので、当然澪筋の真ん中には触れないと思っていたのだが、これでは越冬中のカメが潰されてしまう。カメの越冬は現在工事をしているところより少し下流だと思われるので被害はまださほど出ていないと思うが、これからの工事がかなり心配である。  浚渫の予定の区間は今回もざっとカメがいないか捜索したが、幸い見つからなかった。強い寒気の後、3月並に暖かくなったので戻ってきていないかと思ったが、大丈夫のようだ。ただ問題は重機が入った場所。天王小学校の前(工事区間)から重機を入れると思っていたのだが、本来の工事区間の上流に入っている。これでは、カメが越冬している(しかも我々が入れない)深溜りをつぶすことになる。「カメを見つけたら逃がす」などと言っていたが、重機の規模からしてそんな丁寧な作業はなされそうにない。何とか交渉してカメを助けたい。  工事区間のチェックとカメの捜索を済ませてから場所をがらっと変えてカメ調査。水底で越冬しているアカミミガメを見つけた。外来種とはいえその姿は美しい。近づくとゆっくり水底を移動した。ぐっすり寝ているわけではないのだ。

1月10日

 ごっつい氷やな!  氷の下のミズキンバイ。駆除ができていない箇所だったが、この寒さでもしっかり大丈夫そう(涙)
 川いい会の皆さんと。

 川いい会の皆さんと日を合わせて活動。幸い寒さも少し和らいだが、川にはまだ厚い氷が・・・。大正川に通うようになって17年目だが、こんなに厚い氷は初めて。深溜りに氷が張ったのも初めて見た。今週から工事が始まるので、カメの最終チェック。これまで何度も戻ってきていた個体もさすがの寒波で戻ってきていなかった。ホッとしたが、見落としがないことを祈るばかり。週末にはまた暖かくなるとのことだが、それまでに重機が入っていればカメも警戒してくれるだろう。
 川いい会さんはカナムグラの根っこ取り。茨木土木事務所が浚渫後に新たに中州を形成して下さるとのことなので、そこにはびこらないように。

1月4日


 水底で越冬していたアカミミガメ。前回ここでは見つかっていないので、1週間くらいで移動してきたと思われる。

浚渫工事予定区間を丁寧にカメの捜索。

カワセミ。

この後、。近くで1個体、さらに下流で6個体を発見。

 大正川にて活動初め。前回と同じような報告になるが、工事区間のカメの捜索を中心に活動。12月に3回カメの捜索をしているが、今回も6個体を捕獲。うち2個体はアカミミガメで、残りはナンバリングしたクサガメ3個体とイシガメ。イシガメはこれまでに下流に放流したもの。やはり戻ってきていたのだ。クサガメ3個体はこれまでの捕り残しなのか、別の場所から移動してきたのかは分からないが、少なくとも前回しっかり確認したところで捕獲しているので、動いていることは確か。  いわゆる「冬眠」して動かないと考えられていた冬期も、カメが結構動くことはこれまでの調査で分かっている。しかし思っている以上に活発であることを認識。週末には寒波も来るそうなので、頼むから戻ってこないで欲しいものだ。  今回工事区間とその下流でなんとヌートリア8個体を確認!!!カメより多いやん(涙)うち6個体は親と思われるもの2個体と子供4個体の家族。一家団欒してるやん。  ヌートリア問題は頭が痛すぎだが、今回カワセミも確認(確認できる程度の写真しかないのが残念過ぎだが)。いい話もないとね~。